北朝鮮が地下核実験を実施した。。
北朝鮮は９日、国営朝鮮中央通信を通じ、初の地下核実験に成功したと発表した。北朝鮮北東部の花台郡地域で地震波が検知され、日米両政府は確認を急いでいる。北朝鮮は３日の外務省声明で実験を予告していた。実験が事実なら、７月の弾道ミサイル発射を上回る強硬措置で、国連での制裁論議は必至だ。安全保障理事会は９日午前（日本時間同夜）に非公開協議を開催。日米は、国連憲章７章に基づく制裁決議案の早期採択を目指すことになる。 昨年１１月以降中断している６カ国協議は崩壊、朝鮮半島情勢は１９９４年の核危機以上に深刻な事態に陥り、米朝間の緊張が危機的な状況に達する恐れもある。ソウル訪問中の安倍晋三首相は「断じて許すことはできない」と非難、国際社会と連携し問題解決を目指す姿勢を強調した。 北朝鮮は昨年２月に核兵器保有を公式宣言していた。朝鮮中央通信は、核実験による放射能漏れはないとしている。プルトニウム型原爆とみられる。タス通信によると、ロシア軍高官は「これは１００パーセント、地下核実験だ」と述べた。聯合ニュースによると、韓国の地質資源研究院は最高でＴＮＴ火薬８００トンに相当すると指摘。米ＦＯＸテレビは、爆発規模が小さく、北朝鮮が目標として想定した結果に至っていないとの米当局者の見方を伝えた。 米地質調査所（ＵＳＧＳ）は北朝鮮北東部で９日午前１０時３５分、マグニチュード４・２の地震を観測。韓国の情報機関、国家情報院は、場所について咸鏡北道花台郡舞水端里の「標高３６０メートルの山の地下に掘った水平の坑道」と推定している。 中国外務省は北朝鮮の核実験に断固反対するとの声明を発表。韓国政府も「許されない挑発行為。厳しく対処する」と非難、水害復旧用として予定していた支援の中断を決めた。 １０日には朝鮮労働党創建日を控え、実験はこれに合わせたとみられる。朝鮮中央通信は「強力な自衛的国防力を熱望してきたわが軍隊と人民に大きな刺激と喜びを抱かせる歴史的出来事だ」とした。ロイター通信は米当局者の話として、中国が北朝鮮の核実験を２０分前に知らされ、直ちに日米韓３カ国に通知したと報じた。北朝鮮は金融制裁をはじめ米国主導による北朝鮮包囲網強化に危機感を強め、「核保有国」であることを誇示。米国を直接交渉に引き出す狙いとみられるが、米国が応じる可能性は低く、中国やロシアも厳しい対応を示すのは確実で、国際的孤立が一気に深まった。（共同）
